障害者就労支援への作業依頼・業務委託は、障害者雇用率に算入できるのか
結論からいうと、通常の業務委託・外注は、発注側の障害者雇用率には算入できません。作業依頼は雇用率を満たすための抜け道ではなく、社内の負荷を下げながら、社会的な仕事を一緒に増やしていく発注設計として考えていただくのがおすすめです。
雇用率制度は「雇用している労働者」を前提にしている
厚生労働省の説明では、障害者雇用率制度は「自社で雇用する労働者の一定割合に相当する障害者を雇用することを義務づける制度」とされています。つまり、外部に業務を委託することと、自社で障害者を雇用することは、まったく別の扱いになります。
2026年5月時点では民間企業の法定雇用率は2.5%で、2026年7月から2.7%へ引き上げられる予定です。制度対応そのものは、人事・労務・社労士等と確認しながら、直接雇用や特例子会社制度などの正しい枠組みで進める必要があります。
それでも作業依頼・業務委託を使う意味
「雇用率に算入できないなら意味がない」と結論を急ぐ前に、少し視点を変えてみてください。外注の価値は、社内で詰まっている定型業務を外に出し、成果物として検収できる状態に持っていけることです。
- SNS投稿画像、バナー、チラシなどの制作を継続的に回したい
- 短尺動画の字幕入れ、カット、書き出しを定型化したい
- 資料整形、データ入力、EC登録などの細かい業務を社内から切り出したい
- DEIやCSVの取り組みを、実務の発注と矛盾しない形にしたい
こうした業務であれば、作業依頼は「社会貢献のための発注」ではなく、現場の仕事を前に進める外注先として位置づけられます。社会性は、品質・納期・情報管理が守られて初めて続いていくものです。
発注前に確認すべき3つの線引き
1. 雇用率ではなく、成果物で検収する
外注である以上、成果物・納品形式・確認回数・修正範囲・納期をはっきりさせておくことが大事です。「誰が作業したか」だけではなく、「何を、どの品質で納品するか」を契約前に揃えておきましょう。
2. 契約・請求・連絡窓口を一本化する
複数拠点や就労支援の現場と連携する場合でも、発注側の窓口が増えすぎると運用は続きません。AWANA Creative BPOでは、契約・請求・進行連絡の窓口を株式会社AWANAに一本化できます。
3. 情報管理の範囲を作業前に決める
NDA、素材の受け渡し、個人情報の有無、納品後のデータ削除、確認者の権限を、最初の段階で決めておきましょう。機密度が高い素材は、作業範囲を分ける・匿名化する・閲覧者を限定するといった設計が必要になります。
外注として切り出しやすい業務の例
最初は、成果物の良し悪しを発注側が確認しやすい業務から始めるのが現実的です。たとえばSNS画像、短尺動画、チラシ、資料整形、データ入力は、仕様を固定しやすく、検品基準も作りやすい領域です。
初回は小さな試作で、素材の受け渡し・確認回数・修正の出方を確認します。問題がなければ、そのまま月次や週次の継続発注に移行できます。