INTERVIEW 北海道エリア

チームで価値をつくる
支援×制作の現場づくり

東 勇希(北海道エリア/クリエイティブ指導員)

支援と制作のあいだを翻訳する。それが僕の役割です。AZUMA YUKI / Creative Instructor

Interviewee

東 勇希北海道エリア / クリエイティブ指導員

音楽とデザインの経験を活かしながら支援現場へ飛び込んだ東は、札幌・函館を拠点に制作と支援の“翻訳役”として動いています。全国のメンバーとオンラインで連携し、利用者様の挑戦を形にする教材づくりや旭川開設準備にも奔走中です。

札幌での朝礼を終えると、その足で函館へ向かう。移動の車内では、次に会う利用者様の表情や、前回のフィードバックを思い出しながら、支援と制作のバランスをもう一度組み立て直す。「移動時間も大切な思考タイム」という東のスタンスが、複数拠点をつなぐ循環を生み出しています。

一つの拠点で得た学びをチーム全体で共有し、別の拠点で試してみる。「まずはやってみる」を合言葉にしたトライアンドエラーが日常で、失敗も含めてすべてが次の現場の素材になると語ります。

失敗しても、それは次の現場に持っていける「素材」になる。
AZUMA YUKI
VOICE TRACK

Q.入社からのキャリア教えてください

【アルバイトから始まったキャリアの可能性】

 私のキャリアは、「音楽を生かした仕事がしたい」という想いから、アルバイトとして入社したのが始まりです。現場で働く中で、仕事の面白さや会社の可能性を感じ、社員を目指すようになりました。先輩社員の後押しもあって、入社から半年で正社員に登用していただき、現在では札幌市内にある2店舗の管理を行なっております。また、日常の店舗運営業務に加えて、入社のきっかけでもある音楽関連の外部案件を担当。そして、集客戦略として広告の運用といったマーケティング業務にも挑戦しています。これらはすべて「まずはやってみる」というトライアンドエラーの精神で取り組んでいます。初心者ながらも、失敗を恐れずに学びを重ねることで、着実に自分の視野を広げています。研修面でも、現場での実務経験と並行して現在はジョブコーチの資格取得のための研修を受講しており、就労支援に関する専門的な知識とスキルを体系的に学ぶことで、福祉の専門性を高めたいという意思を持って取り組んでおります。

Q.どのような価値観を持って働いていますか?

【頼ってもらえる居場所づくりと問題解決力を高めるための努力】

 一番大切にしているのは、利用者様との信頼関係です。相手の状況や気持ちをしっかり理解して、会話を重ねることで「ここなら大丈夫」と安心して頼っていただける居場所を作る。その信頼を裏切らないように毎日の業務も1つ1つ丁寧におろそかにせず取り組んでいます。

 何か問題にぶつかった時は、すぐに答えを求めるのではなく、「どうすれば解決できるかな?」と、まず自分で調べて考えることを習慣にしています。AIも手段の1つとして活用しながら、考えたことの質を上げていく。こういった自律的な姿勢が、成長に繋がると感じています。

 また、長く楽しく働くためにはプライベートな時間もすごく大切にしています。しっかりリフレッシュすることで、仕事に戻った時に集中力とモチベーションを維持できています。

Field Note

静かな時間が支援を整えてくれる

札幌の拠点で過ごす時間が一番長い私にとって、自然光が入るワークスペースは「暮らしの延長線」のような安心できる場所です。やわらかな音楽を流しながら利用者様の制作物をチェックしたり、次のプログラムで話したいことをメモしたり。あわてず落ち着いて準備することで、支援にも制作にも余裕を持って臨めると感じています。

焦らず整える日常が、チームの安心感につながる。

ある1日の典型的なスケジュール

  1. 09:00 – 09:15開所準備と朝礼。就労継続支援B型の利用者様の出席確認と役割分担を決定
  2. 09:15 – 10:30午前プログラム。音楽・デザインの作業台を整え、個々のコンディションをヒアリング
  3. 10:30 – 12:00制作ワーク支援。受注案件や自主制作を伴走しながら、作業工程と工数を記録
  4. 12:00 – 13:00昼食・休憩サポート。必要な声かけと医療的ケア担当との連携、午後の段取り確認
  5. 13:00 – 14:30午後プログラム。B型の生産活動(物販制作・動画編集など)を支援し、納期管理
  6. 14:30 – 15:30ケース会議と家族連絡。個別支援計画の更新や福祉サービスの調整を実施
  7. 15:30 – 17:00マーケティング/広報業務。制作物の撮影・SNS投稿、広告レポートの確認
  8. 17:00 – 18:00終礼と記録入力。支援記録・工賃管理・翌日の課題整理を行い退勤

支援と制作をつなぐ日常の工夫

メインは札幌勤務ですが、函館や旭川準備チームとも常にオンラインで接続しています。拠点ごとに進行スピードや得意分野が違うため、Notionで「今日の気づき」を共有したり、Slackで制作の下書きを流したりして、支援と制作の温度差を早めに埋めるようにしています。

現場で拾った小さなエピソードを、そのまま制作チームへ渡すのではなく、「利用者様がどう感じているか」を添えて翻訳するのが私の役割。共通の視点があれば、札幌にいても函館にいても同じ目的地を見られるので、安心してタスクを託してもらえると感じています。

距離があるほど、声の温度を残したまま届ける工夫が必要になる。
AZUMA YUKI

Q.AWANAらしいと感じる文化や雰囲気

【成長と挑戦を後押しするAWANAの文化】

 AWANAは、地道な努力や頑張りをしっかりと評価し、新しい機会として認めてくれる風土があります。また、上下関係が良くお互いにツッコんだりボケたりとユーモアに溢れた環境のおかげで、モチベーションとメンタルを維持しながら前向きに仕事に取り組めています。

 さらに、この職場にはクリエイティブや福祉の専門性を持ったプロフェッショナルなスタッフが多くいるため、スタッフとの日常的な対話や協働を通じて、常に新しい知識や視点を学ばせてもらっています。専門性の高い人たちに囲まれて日々成長できるという環境もこの仕事の大きな魅力の一つですね。

Q.仕事をしていて感じる「面白さ」と「難しさ」

【利用者様の「感性」が視野を広げる】

・面白さ

 この仕事の一番の面白さは、何と言ってもクリエイティブに「正解がない」ことですね。もちろん支援の目的はありますが、アプローチや表現方法に決まりはありません。固定観念に縛られず、自由な発想で試行錯誤しながら支援していくことが、この仕事の醍醐味だと感じています。

 また、利用者さんの多様な作品や、独自の価値観に触れられるのも大きな喜びです。皆さんが持つ「感性」や「表現したいこと」は本当に豊かで、私たちスタッフが想像もしない発見を与えてくれます。その感性に触れることが、私自身の視野を広げ、次の仕事への大きな刺激になっています。

・難しさ

 難しさを感じるのは、人によって成長のスピードや曲線が全く違うという点です。特にクリエイティブ分野は、技術の習得だけでなく、感性の磨き方や発想の広げ方といった、数値化できない要素が深く関わってきます。マニュアル通りに進められる作業ではないため、「これをすれば正解」という指導法がなく、一人一人に合わせたアプローチが求められます。

 個人のペースや特性を見極め、最適なサポートを提供し続けることに難しさを感じつつも、利用者様の感性を大切に日々サポートしております。

チーム文化

オンラインとオフラインの境目なく、全国のスタッフが議論できる文化があります。SlackやNotionで集まったアイデアが、翌日には試作品として現場に届くスピード感。役職や経験年数に関係なくフラットに議論できるところがAWANAらしさだと感じています。

気づきを仕組みに変える3ステップ

札幌の現場では、支援日誌と制作進行ノートを並べて確認するのが日課です。数字に表れない「なんとなくの引っかかり」を放置しないように、感じたことはすべてメモに残し、後でチームと共有できる形に整えています。

  • 言葉にする:気づいた瞬間に3行メモを残し、感情と事実を切り分ける
  • 照らし合わせる:支援記録と制作タスクを並べ、どこでズレが生まれたかを確認する
  • 仕組みにする:改善案をチェックリスト化して、別拠点でも再現できるよう蓄積する

今後の展望

北海道全体で共有できる「支援×制作」のベストプラクティス集を作成したいです。誰が見ても次の一歩が分かるドキュメントがあれば、挑戦のハードルをもっと下げられるはず。制作面でも、利用者様自身が発信者になれる仕組みづくりに挑戦します。

一緒に働きたい人

  • 橋渡しを楽しめる人:支援と制作、どちらの視点も尊重しながら最適解を探せる方
  • 変化にワクワクできる人:新しい拠点や企画が次々生まれる環境を前向きに楽しめる方
  • 記録することが好きな人:気づきを自分だけのものにせず、チームへ共有できる方

NEXT STEP

支援と制作をつなぐ仲間を募集しています。

北海道の現場で得た学びを全国へ広げる挑戦を続けています。働き方や関わり方は個別に調整できますので、まずは興味のあるトピックから気軽にご相談ください。

カジュアル面談や現地見学のご相談も歓迎です。応募方法や必要書類は専任スタッフが丁寧にご案内します。